• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

前立腺癌由来エクソソームの解析

研究課題

研究課題/領域番号 26861265
研究機関岐阜大学

研究代表者

水谷 晃輔  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80397356)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード前立腺癌 / エクソソーム
研究実績の概要

去勢抵抗性前立腺癌に対する有効な治療法は確定していない。今後さらなる治療法を確立していくためには前立腺癌の細胞内情報を得ることが必要である。我々は前立腺癌の細胞内情報を得るための手段として細胞外分泌型エクソソームに着目し前立腺癌特異的エクソソームの単離と解析方法の確立を目指している。
本年はまず前立腺癌特異的エクソソーム単離方法の確立と解析を行った。前立腺癌細胞株(LNCaP細胞)から超遠心法で精製したエクソソーム内に前立腺の特異抗原であるPSMAや治療の重要なターゲットであるアンドロゲンレセプターが存在することを確認した。次いで抗PSMA抗体磁気ビーズと抗CD9抗体磁気ビーズを作成し前立腺癌由来エクソソームを単離しタンパクの解析をおこなった。
結果は抗PSMAビーズによって前立腺癌由来のエクソソームが単離できることが証明された。磁気ビーズ法で単離した前立腺癌由来エクソソームのタンパク量は少ないものの、アンドロゲンレセプターなどが含まれており、ヒト血液からも前立腺癌由来エクソソームの単離、解析ができる可能性が示唆された。
抗PSMAビーズ法を用いて、前立腺癌患者血液より前立腺癌特異的エクソソームの単離を試みた。単離したエクソソーム量はCD9にて確認したが進行性前立腺癌で増加しており、抗PSMAビーズで血液から前立腺癌特異的エクソソームが単離できることが証明された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は当初の研究計画である、超遠心法と抗PSMA磁気ビーズ法で培養前立腺癌細胞上清から前立腺癌細胞由来エクソソームを単離できること証明し、western blot法や質量分析により前立腺癌由来エクソソーム内のタンパクプロファイリングも可能であることが明らかになった。mRNAのプロファイリングについては現在解析中であるが、前立腺癌患者の血液を用いた検討では抗PSMA磁気ビーズで前立腺癌特異的エクソソームの単離が可能であることが証明された。今後は本法を改良し症例数を増やして診断系の構築も目指している。以上より全体を通して研究計画どおりに進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

本年度の実験計画はおおむね順調に進展し、患者血液より前立腺癌特異的エクソソームの単離が可能であることが証明されたため、今後は計画通りに研究を進める。
①前立腺癌患者血液より単離した前立腺癌特異的エクソソームのプロテインプロファイリング:現在症例数の集積と解析法の改善を行っている。ヒト血液では非特異的な反応が多く網羅的解析にはそれらの低減が必要となるが現在精製方法を改善し、より精度の高い測定方法の確立を目指している。測定方法が確立したら多検体でプロファイリングを行う。
②前立腺癌患者血液より単離した前立腺癌特異的エクソソームmRNAのプロファイリング:①と同様にmRNAのプロファイリングを行う。
③統計学的検討:①②で得られた結果をもとに、治療効果や癌の検出率などについて統計学的に有意差があるか判定する。有意差があった因子に関しては、症例数を増やして有効性を検証する。
以上、今後の研究を遂行する上での障壁はなく計画通りに実施している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 前立腺癌特異的エクソソーム単離・解析システムの構築2014

    • 著者名/発表者名
      水谷晃輔
    • 学会等名
      第10回岐阜泌尿器科共同研究会
    • 発表場所
      岐阜会館(岐阜県)
    • 年月日
      2014-07-06 – 2014-07-06
  • [学会発表] 前立腺癌関連エクソソーム解析2014

    • 著者名/発表者名
      水谷晃輔
    • 学会等名
      第31回 Gifu Urologists' Youth Seminar
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜県)
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi