研究課題
(1)生体内環境を再現した次世代型in vitro 組織培養装置の開発マイクロ流体システムを用いて生体内微小循環系を再現した培養システム(マイクロ流体デバイス)を開発した。マウス精巣を培養したところ、長期にわたって精子形成を維持することに成功した。従来法とは異なり組織の変性・壊死がなく、精子形成効率が大幅に改善し、かつ高水準に維持することができた。6か月培養後の精巣から産仔を得ることができ、妊孕性が維持されていることが確認できた。また精巣の主要な機能の一つであるホルモン産生能も評価したが、少なくとも培養4か月時点で維持できていることも確認できた。(2) 精子形成プロセスのリアルタイム観察(1)で作製したマイクロ流体デバイスで精巣組織培養を行いながら生殖細胞の動態を観察した。生殖細胞が減数分裂を開始するとGFPを発現し、分化・成熟するにつれてGFP発現部位の形態が変化するアクロシンGFPトランスジェニックマウスの精巣を培養したところ、生殖細胞の分化・成熟を確認することができた。またタイムラプス撮影により経時的な変化を確認することもできた。(3) in vitro 精巣作製装置の開発(1)で作製したマイクロ流体デバイスの中で精巣構成細胞を再凝集させた細胞塊の培養を行った。精細管の再構成および精子形成過程の部分的な進展がみられたが、従来法を凌駕する結果は得られなかった。
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Scientific Reports
巻: 19 ページ: 21472
10.1038/srep21472