研究課題/領域番号 |
26861282
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤井 泰普 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30566229)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メタボリックシンドローム / 腎結石 / アディポネクチン |
研究実績の概要 |
1:メタボリックシンドローム(MetS)モデルマウスおけるAPN投与による結石抑制効果の検討、前年の結果の再現性を確認。前年度の結果と同様にwild typeは結石形成を認めなかったが、ob/obは結石形成を認めた。また、APN投与により結石形成の抑制を認めた。血清、尿中の結石関連物質は群間に有意差はなかった。OPNとMCP-1はGOX投与6日目のob/obでwild typeと比べ有意に発現増加したが、SODとAPNは有意に発現低下した。また、APN投与による結石関連遺伝子の発現変化は認めなかった。 2:マイクロアレイ解析を用いたMetSによる結石形成促進機序とAPNによる結石抑制機序の解明、 MetSによる腎結石形成の促進関連遺伝子として243の遺伝子が発現低下し、259の遺伝子が発現増加していた。これらのGene Ontology(GO)解析では、細胞接着、炎症、免疫応答の亢進とミトコンドリア機能の低下を示した。また、APNによる腎結石形成の抑制関連遺伝子として154の遺伝子が発現低下し、190の遺伝子が発現増加していた。これらの遺伝子の中で、特に発現の変化が著しかったのは、Aurora kinase A; Aurka(AURKA)およびThymidine kinase 1; Tk1(TK1)の増加(Fold change:3.065、2.823)であった。さらに、これらのGO解析では、抗炎症作用と抗アポトーシス作用を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1:メタボリックシンドローム(MetS)モデルマウスおけるAPN投与による結石抑制効果の検討、再現性の確認も終了。 2:マイクロアレイ解析を用いたMetSによる結石形成促進機序とAPNによる結石抑制機序の解明、Gene ontology解析終了。発現変化を認めた遺伝子について定量PCR、免疫染色を施行。再現性を確認中。 3:尿路結石バイオマーカーの確立:ヒトにおけるAPNおよび結石関連蛋白の検討、検体の登録中。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき実験を遂行する。引き続き、マウスの繁殖、Genotyping、シュウ酸前駆物質の投与、腎組織中の結石、定量PCR、免疫染色での観察および評価を行う。それぞれに習熟した研究協力者と共に研究していく。
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