研究実績の概要 |
膀胱がん皮下移植モデルを作成、両背部に移植し、片側のみをMCL Thermotherapyにて治療した。MCL未治療の腫瘍は免疫賦活により縮小した。交番磁場を2日おきに照射し、がん細胞由来のサイトカインの誘導およびCD4+Tリンパ球のTh1,Th2,Th17,Tregへの分化誘導を検討した。MCL治療群において、IL-2,IFN-γの誘導がwestern blotting/ELISA法にて確認された。さらに免疫染色にてTh1への強い分化誘導が確認できた。抗TGF-β抗体および抗IL-6抗体を用いて、Th17およびTregの発現が低下することはwestern blotting/ELISA法にて確認され、同抗体を用いることで、MCL治療の免疫効果の増強が認められた。 作成した浸潤性膀胱がんマウスを①無治療群②MCL膀胱注入群③MCL膀胱注入+交番磁場照射群④MCL膀胱注入+交番磁場照射+がん免疫治療群(抗TGF-β抗体,抗IL-6抗体)に分類した。MCL用量は30mg/ml(0.6 ml)、治療間隔は3回/週とし治療期間は4週間とした。現在その治療効果を腫瘍体積の変化および病理組織学的検査により解析中である。MCL膀胱注入+交番磁場照射群およびMCL膀胱注入+交番磁場照射+がん免疫治療群において、有意な腫瘍縮小効果を認めている。 現在のところ、MCL膀胱注入+交番磁場照射+がん免疫治療群において、明らかな腫瘍増殖抑制傾向を認めている。また、現在のところ、合併症は認めていない。
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