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2014 年度 実施状況報告書

膀胱癌における新規抗癌療法:抗酸化ストレスとメチル化阻害剤による抗腫瘍効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26861288
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

羅 奕  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30633797)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード膀胱癌 / エピジェネティクス / DNAメチル化
研究実績の概要

1)抗CMLH3K27抗体の作成:ヒストン3テール27番リジン残基に特異的に結合するカルボキシメチルリジン(CMLH3K27)のポリクローナル抗体を作成した。この抗体のウエスタンブロティング、免疫染色、クロマチン免疫沈降法での至適条件を検討し、以降の実験に使用した。
2)メトホルミン、5-aza-CdR処理によるクロマチン構造の変化:膀胱癌細胞T24(高悪性癌)、J112(低悪性癌)および尿路上皮細胞HB/EpCを用い、p16遺伝子のクロマチン構造と遺伝子発現を評価した。グリオキサール処理でAGEの濃度を上昇させると、3種の細胞すべてでCMLH3K27は上昇した。しかしH3K27アセチル化は未処理と比較し、変化なく、5-aza-CdR処理を加えてもp16遺伝子の発現に変化を認めなかった。一方、メトホルミン処理により、CMLH3K27は3種の細胞で変化しなかった。H3K27アセチル化も未処理と比較し、変化なかった。5-aza-CdR処理により、p16遺伝子のDNAメチル化は約30%脱メチル化され、とくにT24においてp16遺伝子発現の上昇を認めた。細胞増殖能は5-aza-CdR単独と比較し、メトホルミン併用群で著明に抑制された。これらの結果より、メトホルミンはヒストン修飾を変化させるのではなく、直接的にDNAメチル化を低下させる作用を有することが推察される。またin vitroではメトホルミン単剤での抗腫瘍効果はほとんど認めないが、固形腫用細胞に対しても5-aza-CdRとの併用で抗腫瘍効果が相乗することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

抗CMLH3K27抗体の作成と、各定量系における至適条件の設定に時間を費やし、クロマチン構造の変化は現時点で、p16遺伝子のみ検討した。引き続きPTENとp53遺伝子も同様に検討を行う。

今後の研究の推進方策

メトホルミンの抗腫瘍効果における作用機序の一つとしてFOX3遺伝子活性を抑制するという報告も見られる。引き続き、in vitroで、FOX3遺伝子発現と抗腫瘍効果の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

多数の臨床試料を用いた検討が行えなかった為、リアルタイムPCR、パイロシークエンス、バイサルファイト処理に用いる試薬を購入しなかった。

次年度使用額の使用計画

今年度に多数臨床試料を用いた検証研究を行う。

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公開日: 2016-06-01  

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