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2015 年度 実施状況報告書

膀胱癌における新規抗癌療法:抗酸化ストレスとメチル化阻害剤による抗腫瘍効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26861288
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

羅 奕  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30633797)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード膀胱癌 / エピジェネティクス / DNAメチル化
研究実績の概要

昨年度作成した抗CMLH3K27抗体を用いて臨床試料の解析を行った。
1)経尿道的膀胱腫瘍切除を施行した膀胱癌80例を対象とした。パラフィンブロックを用いて抗CMLH3K27抗体による免疫染色を行った。Ta(n=25)、T1 (n=50)、T2<(n=5)の比較検討では、高ステージの症例で有意にCMLH3K27の発現が上昇した。また、グレード別の比較検討でも、高グレードの症例で発現は有意に高い結果となった。2)p16遺伝子発現を免疫染色にて検討した。高ステージ、高グレードに腫瘍でp16遺伝子の発現は有意に低下した。またCMLH3K27とp16の発現は有意に逆相関した。3)さらに、ヒストン修飾とp16遺伝子発現の相関を検索する目的で、H3K9m3抗体を用いた免疫染色を行った。上記結果と同様に、H3Km3の発現は高ステージ、高グレードの腫瘍で低下し、またH3K9m3の発現はCMLH3K27と有意に相関し、p16遺伝子の発現とは有意に逆相関した。4)上記症例の腫瘍組織よりDNAを抽出し、p16遺伝子のDNAメチル化レベルを定量解析した。p16のDNAメチル化レベルは高ステージで、高グレードの腫瘍で有意に低下し、免疫染色による発現と相関した。これらの結果より、臨床試料においては高ステージ、高グレードの膀胱癌組織CMLH3K27、p16発現、p16のDNAメチル化の変化が相関することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

遠心分離機の故障の為、動物実験を用いた検討を行うことができなかった。メトホルミン、5-aza-CdR処理によるこれらの相関を引き続き検討する。

今後の研究の推進方策

メトホルミン、5-aza-CdR処理によるCMLH3K27およびp16遺伝子発現の変化と腫瘍抑制効果をin vivoで検討する。

次年度使用額が生じた理由

遠心分離機が故障したため、in vivoでの検討が行えなかった。したがって実験動物購入費用および試薬類の差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

遠心分離機と実験動物購入に使用予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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