研究課題/領域番号 |
26861293
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
津村 秀康 北里大学, 医学部, 助教 (20348569)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遠隔転移 / 前立腺癌 / 血中循環腫瘍細胞 / 密封小線源 / 上皮細胞接着分子 / 播種 |
研究実績の概要 |
平成27年度には、CellSearchシステムを用いた血中循環腫瘍細胞の測定を終了し、同システムを用いた実験系で大部分の結果を得ることができた。 このシステムを用いた血中循環腫瘍細胞の測定において、前立腺癌密封小線源治療前には血中循環腫瘍細胞の存在を認めなかったが、針刺入終了直後の血液サンプルから一定頻度で血中循環腫瘍細胞の検出を認めた。このことは、前立腺組織内に針を刺入する同治療法において、癌細胞の血管内流出が一定の頻度で発生し転移を誘発している可能性を示唆する。現在、これら癌細胞の血管内流出と臨床的再発の関連を調査するため、PSA測定を含めた経過観察を行っている。 CellSearchシステムでは測定できない上皮細胞接着分子非発現の腫瘍細胞測定や前立腺特異的膜抗原と前立腺特異抗原の定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応による測定での実験系を平行して行っており研究データを蓄積している段階である。 本研究結果においては、国内にとどまらず海外での学会発表が平成28年度に決定している。この研究結果が早期がんのみならず局所進行がんを有する患者さんの新たな希望となるべく、広く社会・国民の皆様に発表し、論文として研究成果を発信するため、現在、英語論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体採取に関しては予定人数に達し終了しており、検体提供者からの協力を得ることができた。 研究協力者となる放射線腫瘍科とも極めて密な連絡調整状況が、既に構築されている。また分子生物単位、分子遺伝学単位、病理学的単位の各施設内研究者とも必要に応じて速やかな助言・連絡調整が可能な状況であり論文作成の観点からも協力を得やすい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果につき、国内にとどまらず海外での学会発表が平成28年度に決定している。 癌細胞の血管内流出と臨床的再発の関連を調査するため、PSA測定を含めた経過観察が必要である。 現在論文を作成中であり、早期がんのみならず局所進行がんを有する患者さんの新たな希望となるべく、広く社会・国民の皆様に発表をする。 血中循環腫瘍細胞を幅広く調査するため、CellSearchシステム以外での実験系構築が引き続き必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度には、CellSearchシステムを用いた血中循環腫瘍細胞の測定を当初より早く終了し、同システムを用いた実験系での大部分の結果を得ることができた。このため、同システムを使用した実験系の解析を行う段階となり、この解析結果に基づき、次年度に施行すべき実験系を構築することに時間を費やした。
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次年度使用額の使用計画 |
CellSearchシステムでは測定できない上皮細胞接着分子非発現の腫瘍細胞測定や前立腺特異的膜抗原と前立腺特異抗原の定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応による測定での実験系を追加し研究データの蓄積が平成28年度に必要となる。このため前年度から持ち越された使用額を同実験系に費やす予定である。
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