我々はニコチンが腫瘍にどのように影響を与えるのかを調査した。膀胱癌細胞株を用いてニコチン・シスプラチン(CDDP)・PI3K/mTOR阻害薬(BEZ)による影響を調査した。ニコチンを曝露させた所、細胞のviabilityが上昇し、pS6の活性上昇を認めた。BEZ投与は活性上昇したpS6を有意に抑制した。マウス皮下腫瘍モデルに対しニコチンの投与を行うと、腫瘍体積は有意な増大を認め、CDDP投与にても腫瘍縮小効果は確認できず、治療抵抗性獲得が示唆された。尿路上皮癌においてニコチンがPI3K/Akt/mTOR経路を介し腫瘍増殖や抗癌剤耐性の獲得に関連があることが示唆された。
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