研究課題/領域番号 |
26861299
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小坂 威雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30445407)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 遺伝子ネットワーク / リプログラミング / 薬剤耐性 / がん幹細胞 / アンドロゲン / C4-2AT6 |
研究実績の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌(Castration Resistant Prostate Cancer: CRPC)は難治性であり、新規治療戦略の確立は泌尿器科医に課せられた急務の課題である。申請者は難治性癌における幹細胞性・治療抵抗性獲得プロセスと、山中因子による体細胞からの多能性幹細胞であるiPS細胞誘導・獲得プロセスの類似点に着目し、遺伝子ネットワークを標的とする新規薬剤スクリーニング系を確立し報告してきた。本研究は幹細胞性・抗がん治療耐性を内包する遺伝子ネットワークを標的とし、既存薬剤を用いた抗がん剤治療耐性癌から抗がん剤感受性癌へのネットワークへの転換・再プログラム化・初期化による革新的・独創的な新規治療戦略の確立を目的としして研究を施行した。 まず、オープンソースで体系的に収集され公開されているヒト臨床にて投与可能な薬剤を種々のがん細胞株に投与した際の遺伝子プロファイルと、ヒト臨床検体における転移病巣と原発巣の遺伝子データベースを集積した。次に、申請者独自のアルゴリズムとバイオインフォマティクスで分析・解析することで、バイオインフォマティクスを応用した、新規がん幹細胞・エピジェネシス関連マーカーを探索した。数種利の既存薬が有用な治療薬としてリストアップされた。 ホルモン依存性細胞株LNCaPをアンドロゲン除去の環境で長期間培養することで、新規にアンドロゲン非依存性、去勢抵抗性前立腺細胞株LNKO5を新規に樹立した。また、以前から当教室で有している細胞株C4-2AT6をさらに長期間アンドロゲン除去下で培養し、C4-2AT12を樹立した。 これらの細胞株を対象として、リストアップされた新規薬剤のin vitro スクリーニングを施行し、有望な既存薬を数種類同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の実験計画に沿って順調に研究が施行され、実際に次年度に繋がる有用な研究結果が得られてきているため、上記のように達成度を自己点検し評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、当初の予定通り、新規薬剤のin vitro スクリーニングにて同定された、有望な既存薬についてin vivo実験系で評価していく。
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