研究課題/領域番号 |
26861312
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加来 博志 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40456059)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胞状奇胎 / CISH / 免疫染色 |
研究実績の概要 |
本研究は、分子病理診断に基づく部分奇胎診断法の確立を目的とする。胞状奇胎が疑われ、千葉大学産婦人科に紹介され、子宮内容除去術が行われた症例で、STR多型によるDNA診断が既に行われた80例(雄核発生奇胎40例、部分奇胎20例、流産20例)を対象とした。本年度は、既存のパラフィン包埋ブロック検体のうち、雄核発生奇胎2例、部分奇胎2例、流産2例のパラフィン包埋ブロックから、FISH用の未染薄切標本を作成し、セントロメア近傍のプローブ(7番染色体、17番染色体)、X染色体、Y染色体プローブで倍数性が判定できるかを検討した。雄核発生奇胎は2例とも2倍体、部分奇胎は2例とも3倍体、流産は2例とも2倍体と判定された。本年度の検討で、CISH法での倍数性診断が可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、CISH法での評価が可能かどうかという点が最も重要である。異数性少ないと考えられる、7番、17番染色体のプローブは、使用実績が少ないので、使用可能であることがわかったため、今後は、既存のパラフィンブロックを用いて、実験を進めることで、研究を進めることができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1)すでにDNA診断済のパラフィンブロックを用いて、CISH法での検討を進める。判定可能な検体の割合を評価する。特に、ブロック作成から時間が経過している症例で、CISH法での倍数性評価が可能か検証する。 2)未染薄切標本の全例に対して、HE染色およびp57KIP2染色を行う。マスキングの上、HE標本の評価、p57KIP2染色の評価を行う。この評価は、絨毛性疾患を専門とする婦人科腫瘍専門医に依頼する。 3)CISH法による倍数性診断とp57KIP2の免疫染色の結果を組み合わせて、分子病理診断による、胞状奇胎の病型分類を決定する(全奇胎、部分奇胎、流産)。分子病理診断と、DNA診断の結果を比較して、分子病理診断の診断精度を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
CISH法のキット追加購入を予定していたが、キット購入に必要な金額が残っていなかった。本年度はキットの試薬がまだ残っていたため、次年度の購入予定とした。
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次年度使用額の使用計画 |
CISH法のキット追加購入を予定。
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