本研究は遺伝子改編酵素群APOBECのヒトパピローマウイルス(HPV)感染病態における病的役割を明らかにする事を目的とした。その結果、①APOBECはHPVやインターフェロンにより発現が誘導される事、②APOBECはHPVゲノムや宿主ゲノムに変異を導入し、またHPVゲノムの宿主へのインテグレーションと相関する事、③その一方でHPVビリオン産生細胞で発現すると、感染性を低下させる事を発見した。以上の知見は抗ウイルス因子と発癌因子という、HPV感染病態におけるAPOBECの二面的役割を反映していると考えられた。
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