研究課題
本研究の目的は、「HPV感染により癌化した子宮頸部細胞をin vivo蛍光イメージングを応用して可視化すること」である。本年度は、1.ICGと抗体の蛍光分子イメージングプローブの作製と最適化と、2. HPV感染培養細胞を用いて、抗ICG修飾抗体がEFFRと結合することの確認 の以上2点を研究実施計画としてあげていた。1に関しては、ICGが抗EGFR抗体と結合し、子宮頸癌組織で機能することは確認できたが、プローブの標識率が最適な状態を、フローサイトメトリーを用いて検証し、抗EGFR抗体:ICG=1:2で標識され最適であると考えられた。現時点では、蛍光分子(ICG)の変更や、抗体(抗EGFR抗体)の変更は不要と考えている。2に関しては、HPV感染子宮頸癌細胞(Hela細胞)を使い、蛍光抗体法でEGFRが細胞膜に発現しているかどうかを、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。結果、細胞膜に点在して存在していると考えられた。「蛍光顕微鏡に冷却CCDカメラを伴ったシステム」を用いて、画像処理システムを併用することにより、より高い解像度とコントラストを得ることができ、きわめて微弱な蛍光も観察可能となるのではないかと考えている。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度の研究実施計画である、1.ICGと抗体の蛍光分子イメージングプローブの作製と最適化と、2. HPV感染培養細胞を用いて、抗ICG修飾抗体がEFFRと結合することの確認 の2点は、おおむね予定通り進展している。
今後の研究計画として、1. 動物モデルを用いた実験、さらには2. ヒトにおける方法を確立をめざしたい。1. では、マウスの皮下に、①Hela細胞もしくは②標的蛋白EGFRの発現をsiRNAでノックダウンしたHela細胞を、それぞれインジェクションし腫瘍を形成させる。腫瘍に直接、抗ICG修飾EGFR抗体を添加し、「小動物蛍光画像観察用のIn vivo リアルタイムイメージング装置」を用いて蛍光レベルを解析する。さらには、蛍光レベルと病理組織所見を比較することで、in vivoで抗ICG修飾EGFR抗体が病変の広がりを反映しうるか検討する。2. では、ヒトにおいての検出器の作製、および蛍光部位の病理学的検討を行いたいと考えている。
すべて 2014
すべて 学会発表 (3件)