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2014 年度 実施状況報告書

生殖制御ホルモンの中枢性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26861327
研究機関島根大学

研究代表者

折出 亜希  島根大学, 医学部, 助教 (00423278)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードゴナドトロピン / GnRH / 下垂体
研究実績の概要

Trichostatin A (TSA) ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、ヒストンからアセチル基を取り除く酵素の活性を妨げることにより遺伝子発現を変化させる目的で広く実験に使用されている。TSAのゴナドトロピンサブユニット発現に対する影響について検討した。ゴナドトロピン産生LβT2細胞をTSAで刺激し、ゴナドトロピンLHβ、FSHβ発現を定量PCRで測定した。またウェスタンブロッティング法によりTSAによるヒストンアセチル化反応、ERK活性化反応を検討し、GnRH刺激との比較を行った。TSAは下垂体ゴナドトローフLβT2細胞において濃度依存的にFSHβサブユニット発現を増加させたが、LHβサブユニットは増加させなかった。GnRH刺激ではFSHβ、LHβサブユニットともに濃度依存的に増加した。TSAによるFSHβサブユニット発現の増加はGnRHとの同時刺激で有意に抑制された。TSAにより細胞内アセチルヒストンは増加したがGnRHで抑制されなかった。またTSAはGnRHと同様に単独でERKを活性化し、TSAとGnRHとの同時刺激でERK活性は更に増加した。TSAはLβT2細胞においてFSHβを特異的に発現させることが分かった。TSAによるFSHβ発現機序はGnRHとは異なるものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特異的ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるTrichostatin A(TSA)を用いた実験から、ゴナドトロピン遺伝子発現にヒストンアセチル化が関与する可能性について示すことができた。

今後の研究の推進方策

生殖制御ホルモンの中枢性制御機構の解明として、今後はPACAPをはじめとした視床下部に存在する様々な生理活性物質のGnRHニューロンにおける役割について検討をしていく予定である。GnRH産生ニューロン株としてGT1-7細胞を使用し研究をする他、ラット脳の初代培養を行い検討をすすめて行く予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Expression of gonadotropin-inhibitory hormone receptors in mouse pituitary gonadotroph LβT2 cells and hypothalamic gonadotropin-releasing hormone-producing GT1-7 cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Sukhbaatar U, Kanasaki H, Mijiddorj T, Oride A, Miyazaki K.
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 61 ページ: 25-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Trichostatin A specifically stimulates gonadotropin FSHβ gene expression in gonadotroph LβT2 cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Oride A, Kanasaki H, Mijiddorj T, Sukhbaatar U, Miyazaki K.
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 61 ページ: 335-42

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] δ-GABAA 受容体特異的作動薬 DS1 によるゴナドトロピンサブユニット発現2015

    • 著者名/発表者名
      折出 亜希、金崎 春彦、ミジドルジ ツェルメグ、 スクバッタル ウヌルジャルガル、京 哲
    • 学会等名
      第20回日本生殖内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      (大阪府豊中市)千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2015-01-10
  • [学会発表] Specific Expression of Gonadntropin FSHβ by Trichostatin A in mouse Gonadotroph LβT2 cell2014

    • 著者名/発表者名
      Aki Oride, Tselmeg Mijiddorj, Unurjargal Sukhbaatar, Haruhiko Kanasaki
    • 学会等名
      The Endocrine Society’s 96th annual meeting
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      2014-06-21 – 2014-06-24
  • [学会発表] GnIH受容体発現に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      折出亜希、スクバッタル ウヌルジャルガル、ツェルメグ ミジドルジ、金崎春彦
    • 学会等名
      第87回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      (福岡市)福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-04-24 – 2014-04-26
  • [学会発表] ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤Trichostatin A (TSA)はゴナドトロピンFSHβサブユニットを特異的に発現させる2014

    • 著者名/発表者名
      折出亜希、金崎春彦、ツェルメグ ミジドルジ、スクバッタル ウヌルジャルガル、宮崎康二
    • 学会等名
      第66回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      (東京都千代田区)東京国際フォーラム
    • 年月日
      2014-04-18 – 2014-04-20

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公開日: 2016-06-01  

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