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2016 年度 実施状況報告書

生殖制御ホルモンの中枢性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26861327
研究機関島根大学

研究代表者

折出 亜希  島根大学, 医学部, 講師 (00423278)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード下垂体 / GnRH / キスペプチン
研究実績の概要

キスペプチンは視床下部において、GnRH産生ニューロンに存在するキスペプチン受容体Kiss1Rに結合し、GnRH分泌に関与していることが明らかにされている.また下垂体前葉ゴナドトロピン産生細胞にもKiss1Rが存在することが知られている.そこで下垂体ゴナドトロピン産生細胞におけるGnRH受容体とGPR54の関係について検討をおこなった.ラットゴナドトロピン産生細胞株であるLβT2細胞を用いてキスペプチン刺激によるLHβ,FSHβサブユニットの転写活性を測定し,GnRH受容体発現量の変化によるキスペプチンの刺激効果を比較した.LβT2細胞においてGnRHにより内因性のKiss1R発現は増加した.またキスペプチンはGnRH受容体発現を増加させ、LHβ,FSHβサブユニットプロモーター活性を共に増加させた.LβT2細胞内のGnRH受容体発現量を増加させたところ、キスペプチンによるゴナドトロピンサブユニット発現は更に増加した.Kiss1Rの発現を増加させた細胞では、LHβ,FSHβサブユニットプロモーターの基礎活性が上昇したが,GnRHに対する反応性に変化は認められなかった.以上より下垂体ゴナドトロピン産生細胞において、キスペプチンはゴナドトロピン促進作用を持つことが明らかとなった.またキスペプチンはGnRH受容体を増加させることで、GnRHあるいはキスペプチン自身によるゴナドトロピン促進作用を増強させると考えられた.一方GnRHもKiss1Rの発現を増加し,ゴナドトロピンの基礎転写活性及びキスペプチンによるゴナドトロピン促進作用を増強していると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今回の研究では、ラットゴナドトロピン産性細胞株であるLβT2細胞を用いて実験を行った。しかしLβT2細胞は腫瘍細胞由来の不死化細胞であり、実際の現象を反映していない可能性も考えられるため、初代培養系での実験を追加する必要があると考えられた。

今後の研究の推進方策

ラット下垂体前葉の初代培養を行い、下垂体前葉におけるキスペプチンのゴナドトロピン産生に対する作用を明らかにしてく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Expression and Regulation of Pituitary Adenylate Cyclase-Activating Polypeptide in Rat Placental Cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Oride A, Kanasaki H, Mijiddorj T, Sukhbaatar U, Yamada T, Kyo S.
    • 雑誌名

      Reproductive Sciences

      巻: 23 ページ: 1080-1086

    • DOI

      10.1177/1933719116630421

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interactions between Two Different G Protein-Coupled Receptors in Reproductive Hormone-Producing Cells: The Role of PACAP and Its Receptor PAC1R.2016

    • 著者名/発表者名
      Kanasaki H, Oride A, Hara T, Mijiddorj T, Sukhbaatar U, Kyo S.
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 17 ページ: 1635

    • DOI

      10.3390/ijms17101635

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)よる視床下部キスペプチン発現に関する検討2017

    • 著者名/発表者名
      折出亜希、金崎春彦、原友美、京哲
    • 学会等名
      第21回日本生殖内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2017-01-14
  • [学会発表] Mutual regulation by GnRH and kisspeptin of their receptor expression and its impact on the gene expression of gonadotropin subunits2016

    • 著者名/発表者名
      Aki Oride, Haruhiko Kanasaki, Tomomi Hara, Shingo Suzuki, Mijiddorj Tselmeg, Unurjargal Sukhbaatar, Satoru Kyo
    • 学会等名
      the International Symposium on the Pituitary Gland and Related Systems
    • 発表場所
      EAST-WEST CENTER CAMPUS HONOLULU, HAWAII
    • 年月日
      2016-09-01 – 2016-09-05
    • 国際学会
  • [学会発表] ラット胎仔脳神経初代培養細胞を用いたkisspeptinによるGnRHニューロン制御機構の検討2016

    • 著者名/発表者名
      折出 亜希, 金崎 春彦, ミジドルジ ツェルメグ, スクバッタル ウヌルジャルガル, 京 哲
    • 学会等名
      第68回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2016-04-21 – 2016-04-24
  • [学会発表] ゴナドトロピン産生細胞におけるGnRH受容体とキスペプチン受容体の相互作用2016

    • 著者名/発表者名
      折出 亜希, 金崎 春彦, ミジドルジ ツェルメグ, スクバッタル ウヌルジャルガル, 原友美、京 哲
    • 学会等名
      第89回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2016-04-21 – 2016-04-23

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公開日: 2018-01-16  

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