研究課題
私どもは、平成26年度に母体血漿中で検出しうる胎児マーカーの候補のひとつとして、chromosome 14 microRNA cluster (C14MC)領域のmiR323-3pを同定し、それは羊水塞栓症の診断への応用性が期待された。一方、羊水穿刺により母児間輸血が発症するメカニズムが知られている。また、母体血漿中にはcell-free microRNA成分とexosomal microRNA成分とが含まれている。exosomal成分が様々な臓器で様々な疾患病態を形成していることが示唆されているが、臨床検査としてはcell-free成分の定量が容易である。そこで、H27年度は、胎児マーカーの一つと考えられるmiR-323-3pに着目して、羊水穿刺前後の母体血漿中におけるcell-free miR-323-3pとexosomal miR-323-3pとの関連について検討した。母体血漿中cell-freeおよびexosomal miR-323-3p流入量は、 羊水穿刺の前後共に有意な相関を示していた(R and P values before amniocentesis; 0.617 and 0.011, R and P values after amniocentesis; 0.899 and <0.001)。以上より、母体血漿中cell-free miR-323-3p流入量の定量値は、exosomal miR-323-3p流入量を反映していることが明らかとなった。胎児由来exosomeは羊水塞栓症の病態形成に関連しているかもしれないので、母体血漿中cell-free miR-323-3p流入量の定量値は羊水塞栓症のバイオマーカーとして有用と考えられた。
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