ヒト正所性子宮内膜において,AMHの特異的受容体であるAMHⅡRの発現動態を検討した.腺上皮におけるAMHⅡRの発現は機能層より基底層で有意に強く,間質では基底層より機能層が有意に強く発現していた.機能層でのAMHⅡRの発現は子宮内膜の表層部に限局しており,機能層中間層におけるAMHⅡRの発現は有意に低かった.またAMHⅡRの発現は増殖期よりも分泌期に強い傾向が認められた.血中および腹水中のAMH濃度Ⅱは相関関係が認められ、年齢や月経異常・排卵障害の程度により相違し,重症子宮内膜症では年齢によらず低い傾向が認められた.AMHはAMHⅡRを介して子宮内膜の機能調節に関与していることが示唆された.
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