研究課題/領域番号 |
26861341
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
今井 美沙 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50709003)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 顆粒膜細胞腫 / 卵巣がん / 稀少がん |
研究実績の概要 |
顆粒膜細胞腫は、卵巣癌の一種であり、初期の発症から数十年の歳月をかけて再発・転移するという経過をたどる。そのため、早期発見、早期治療が非常に困難であり、有効な治療法は未だに確立されていない。致死率も比較的高いこと、また女性の社会進出により近年、発症率が上昇してきていることから、早急な治療法の開発が必須である。申請者は、顆粒膜細胞腫細胞株、KGN細胞および正常顆粒膜細胞との比較による差異的トランスクリプトーム解析を行い、候補分子の選別を行ってきた。平成27年度は顆粒膜細胞腫の悪性化を司る因子として同定された、GPRC5Bを中心にその機能に関して解析を行った。その分子のRNAiによる発現制御をRNAi及びshRNAを用いて行ったところ、顆粒膜細胞腫細胞株の増殖能、浸潤能および運動能を抑制することを確認した。GPRC5Bは創薬ターゲットとして近年注目されているGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、この分子の機能解析は顆粒膜細胞腫を中心とした女性特異的な癌に特化した新たな創薬ターゲットの開拓という意味で非常に重要であることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
境界悪性腫瘍であり、稀少がんでもあることから病理標本を得にくい現状ではあるため、本年度は顆粒膜細胞腫細胞株、KGN細胞を用いた実験を行い、顆粒膜細胞腫の悪性化に関与する候補分子、GPRC5Bの機能解析を行うことができた。実験も順調に進み、非常にインパクトのある結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
非常に稀である顆粒膜細胞腫ではあるが、国内外の共同研究先を見つけることで病理標本を中心とした解析も進めていきたいと考えている。さらに、顆粒膜細胞腫のみならず、乳がんなどの細胞を用いてGPRC5Bの機能解析を行い、女性に発症の多いがんに特化した「がん」での機能を明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
卵巣癌は婦人科系がんの中でも最も致死率が高いことが知られているが、顆粒膜細胞腫は境界悪性腫瘍であること、その発症率が卵巣がん全体の5%となっているため、病理検体を集めることが非常に困難であったため、実験計画にあった病理標本を用いた研究を行うまでのサンプル数を集めることができなかった。さらに、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であるGPRC5Bのための研究ツールである抗体及び発現ベクターの作成に予想以上に時間がかかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、非常に稀ではある顆粒膜細胞腫の病理標本を増やせるよう、共同研究先を探す。同時に、培養細胞株、KGNを用いた機能解析を積極的に行い、顆粒膜細胞腫悪性化機構解明のための研究を推進する。
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