研究課題
子宮体癌16細胞株ではコントロールの子宮内膜不死化細胞と比較しSIRT6蛋白発現が低下していた。子宮体癌104症例の組織マイクロアレイを作成し免疫染色を施行し、SIRT6高発現群では低発現群と比較し、全生存率が良好な傾向であった。SIRT6蛋白が比較的低発現であったAN3CA,KLE株に対しSIRT6を過剰発現させると細胞増殖が抑制され、逆にSIRT6をsiRNAでノックダウンすると細胞増殖が亢進することから、SIRT6が2株に対し細胞増殖抑制効果を持つことが分かった。フローサイトメトリー(FCM)解析で、SIRT6過剰発現でsubG1分画の有意な増加を認め、細胞死が誘導された。以上から、SIRT6は子宮体癌細胞株に細胞死を誘導し細胞増殖を抑制することが示された。細胞死関連蛋白のウェスタンブロット(WB)法を施行し、SIRT6過剰発現でサバイビンの発現が抑制された。定量的リアルタイムPCRでもサバイビンmRNA発現低下を認め、AN3CA株を用いてサバイビンプロモーター活性をルシフェラーゼアッセイで評価したところ、SIRT6は有意にサバイビンプロモーター活性を抑制した。また、AN3CA,KLE株とコントロールの子宮内膜不死化細胞でサバイビンのノックダウンを行うと、子宮体癌細胞株特異的に細胞死が誘導された。従って、SIRT6はサバイビンの発現抑制機序により、細胞死を誘導することが示された。この結果からサバイビンの阻害も子宮体癌に対し有効な治療選択肢となる可能性が示唆された。以上よりサバイビン阻害薬YM155の子宮体癌細胞株に対する細胞増殖抑制効果について検討した。YM155はAN3CA,KLE細胞株に対し、濃度依存性に細胞増殖を抑制した。またWB法ではYM155が2株に対し、濃度依存性にサバイビンの蛋白発現を抑制し、FCM解析では50nMの比較的低濃度で2株に対し顕著な細胞死を誘導することが示された。
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