研究課題
本研究では、頭頸部癌術後の局所再発リスクであるcyclin D1高発現群に対する新規追加治療を開発するため、「cyclin D1を標的としたsmall guide RNA(以下sg RNA)の付加により頭頸部癌細胞株のcyclin D1遺伝子mRNAの標的塩基配列を切断すること、cyclin D1蛋白量を減少させることを確認し遺伝子標的治療としての妥当性を確認し遺伝子標的治療としての妥当性を確認」、「sg RNA付加による頭頸部癌細胞の増殖抑制による治療効果を確認」を目的としている。分子生物学的手法 (in vitro RNA cleavage assay)を用いてcyclin D1を標的としたsg RNAの付加により、頭頸部癌細胞株のcyclin D1遺伝子mRNAの標的塩基配列を切断することを確認できた。これにより、TRUE gene silencing法が頭頸部癌細胞において機能するということを立証できた。また、マウスモノクローナル抗体を用いたcyclin D1の免疫組織学的発現と、局所再発・生命予後に関する臨床研究は並行して行っており、腫瘍組織内におけるcyclin D1高発現群および、切除断端におけるcyclin D1高発現群においては、局所再発リスクの増加・生命予後の低下に関わることが確認されている。これらの研究成果に関しては日本頭頸部癌学会等の国内学会で発表しており、他施設の研究者からの意見を取り入れることにより、今後の研究のブラッシュアップにつなげたいと考えている。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度実験において、TRUE gene silencing法が頭頸部癌細胞において機能することを立証できた。 これは本研究の根幹をなす部分であり、これを立証できた成果は小さくないと考える。
研究計画書に従い、今後は最も効果的なcyclin D1遺伝子の標的領域・sgRNAの型をRT-PCR法によるcyclin D1遺伝子mRNA発現低下量の定量により比較し決定する。
学会参加費及び学会参加のための旅費が、当初の予定よりも低額に収まったことによる。
学会参加費・学会参加のための旅費、英語論文校正のための費用、実験器具等の購入に充てる予定である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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