研究課題
2016年度は中咽頭扁平上皮癌における新病期分類による影響に関する臨床的研究を主体に行った。HPV関連中咽頭癌は非関連癌と比べ予後が良好であり、UICCのTNM分類第7版は予後を反映されなくなった。2017年に改訂される第8版ではHPV関連癌において、新しい分類基準が設けられた。今回われわれは当科症例において新・旧病期分類と生存率の比較検討を行った。1998年から2014年に当科にて加療を行ったHPV関連中咽頭癌83例を対象に後方視的に検討を行った。HPV関連の評価は第8版に従ってp16免疫染色にて行った。HPV関連癌において第7版分類では大半がIV期であったが、第8版分類では大半がI期と分類された。第7版分類による3年粗生存率はI-III期とIV期の間に統計学的有意差を認めなかったが、第8版分類ではI-II期とIII期の間に有意差を認めた。HPV関連癌においては第7版分類では予後が反映されていないが、第8版では反映されることが当科症例でも明らかとなった。第8版は分類基準が大幅に変わるのでその取扱いに注意が必要であることを報告した。上記研究成果を国際学会(9th International Conference on Head and Neck Cancer)および国内学会(第40 回日本頭頸部癌学会)にて報告を行い、英語論文Confirmation of the eighth edition of the AJCC/UICC TNM staging system for HPV-mediated oropharyngeal cancer in Japanにまとめ、英文誌(Int J Clin Oncol)に投稿し採択された。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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