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2014 年度 実施状況報告書

好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸におけるTRP受容体の発現とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26861360
研究機関福井大学

研究代表者

徳永 貴広  福井大学, 医学部附属病院, 医員 (10464075)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード次世代シーケンサー / 好酸球性副鼻腔炎
研究実績の概要

慢性副鼻腔炎患者の鼻茸を用いた次世代シーケンサーによる全トランスクリプトーム解析(RNA-seq)を行い、難治性好酸球性副鼻腔炎に特異的に高く発現する遺伝子TRPV3 を同定した。同じサンプルを用いて、マイクロアレイによる発現解析も行ったが、それでは同遺伝子は同定されなかった。つまり、両者の結果に乖離を認めたのだが、リアルタイムPCRおよび免疫組織染色による追認の結果、TRPV3は難治性好酸球性副鼻腔炎に多く発現していることがわかり、RNA-seqの有用性が示された。
また、免疫組織染色を行い、発現の局在を調べると、TRPV3は鼻茸組織中の好酸球に強く発現していることがわかった。TRPV3は皮膚のケラチノサイトにおいて、TGF-αなどの炎症性サイトカインの遊離に関与していることが知られているため、鼻茸組織中の好酸球に発現するTRPV3も炎症サイトカインの遊離に関与し、難治性に寄与している可能性が考えられた。現在、TRPV3が発現した培養細胞を用いて、アンタゴニストで刺激し、放出される炎症サイトカインをELISAを用いて特定しようと準備をしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

好酸球に発現しているTRPV3の機能を解析するため、培養細胞を用いて評価しているが、培養細胞および実験系の条件検討に時間がかかり、機能解析が十分には進んでいない。その為に当初の計画からは遅れている。

今後の研究の推進方策

培養細胞を用いてTRPV3の機能解析を行い、TRPV3が副鼻腔炎の鼻茸の難治性に関与していることを明らかにする。
その機序と標的分子が明らかになれば、TRPV3アンタゴニストの治療への応用が期待されるため、可能であればアンタゴニストを入手して、培養細胞に投与し、反応を確認したい。

次年度使用額が生じた理由

培養細胞の樹立と、実験系の確立がうまくいかず遅れが出たために、購入する機器や試薬も遅れが出た。

次年度使用額の使用計画

次年度は、培養や実験に必要な機器の購入、実験結果の解析に用いるソフトウェアのライセンス代、研究成果を海外で発表するための旅費などに用いる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Novel scoring system and algorithm for classifying chronic rhinosinusitis: The JESREC Study2015

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Tokunaga, Masafumi Sakashita, Takenori Haruna, Daiya Asaka, Sachio Takeno, Hiroki Ikeda, Tsuguhisa Nakayama, Nobuhiko Seki, Shin Ito, Junko Murata, Yasunori Sakuma, Naohiro Yoshida, Tetsuya Terada, Ichiro Morikura, Hiroshi Sakaida, Kenji Kondo, Kanako Yamada, Shigeharu Fujieda
    • 雑誌名

      Allergy

      巻: 70 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/all.12644.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 好酸球性副鼻腔炎の診断基準2015

    • 著者名/発表者名
      徳永貴広、坂下雅文、二之宮貴裕、意元義政、冨田かおり、森川太洋、藤枝重治
    • 雑誌名

      アレルギー・免疫

      巻: 22 ページ: 22-28

  • [学会発表] 次世代シーケンサーを用いたWhole transcriptome解析(RNA-seq)による好酸球性副鼻腔炎関連遺伝子の同定2015

    • 著者名/発表者名
      徳永貴広、二之宮貴裕、意元義政、坂下雅文、野口恵美子、藤枝重治
    • 学会等名
      第64回日本アレルギー学会
    • 発表場所
      東京都・品川・グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
    • 年月日
      2015-05-26 – 2015-05-28
  • [学会発表] 次世代シーケンサーを用いたWhole transcriptome解析(RNA-seq)による好酸球性副鼻腔炎関連遺伝子の同定2015

    • 著者名/発表者名
      徳永貴広、意元義政、坂下雅文、藤枝重治
    • 学会等名
      第33回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
    • 発表場所
      東京都・錦糸町・東武ホテルレバント東京
    • 年月日
      2015-02-26 – 2015-02-28

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公開日: 2016-06-01  

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