| 研究課題/領域番号 |
26861368
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| 研究機関 | 浜松医科大学 |
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研究代表者 |
岡村 純 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402305)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 頭頸部癌 / Biomarker / H19 / miR-675 |
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| 研究実績の概要 |
頭頚部癌はいまだにその予後は不良であり、そのため早期発見や治療前の予後の予測が近年重要となってきている。H19は癌遺伝子として近年報告されているが頭頸部癌においてはいまだ調査されていない。本研究はH19およびH19より放出されると報告されているmiR-675の頭頸部癌における発現を確認し、さらに唾液検体を利用した早期発見および予後予測するための Biomarker として確立することを目的としている。本年までの結果は以下の如くであった。
1． 頭頸部癌細胞株 (SCC22A, SCC22B, 011, 028, 029) よりRNAを抽出しcDNAを合成したうえで real-time PCR にてH19 および miR-675の定量を行った。022 および SCC22A において H19 およびmiR-675 が高発現していることを確認した。
2． H19 高発現細胞株にたいして H19 をノックダウンすることにより細胞増殖能が抑制されることを確認した。H19 が頭頸部癌細胞株において癌遺伝子として機能している可能性を確かめた。
3． miR-675 の延期配列がH19 のヘアピン構造内に含まれており、RNAスプライシング機構により H19 が miR-675 を放出する可能性が報告されている。今回我々は H19 高発現細胞株に対して H19 をノックダウンすることにより miR-675 の発現が抑制されることを確認した。
4． real-time PCR にて頭頚部癌組織および各検体の正常組織における H19 の発現を調べ、正常組織に比して癌組織において H19 が有意に高発現していることを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭頚部癌組織における miR-675 の発現が確認された点でおおむね順調に本研究が進展していると考える。頭頚部癌細胞株のみならず頭頚部癌組織においても H19 の高発現が確認されたことで H19 が頭頸部癌において癌遺伝子として機能する可能性が高まった。
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| 今後の研究の推進方策 |
1． miR-675 ノックダウン頭頚部癌細胞において H19 の発現に変化がないことを確認する。2． 臨床情報を持った下咽頭癌、喉頭癌、中咽頭癌、口腔癌の原発巣患者における癌組織、切除断端組織、血液、および唾液検体を採取し、H19 および miR-675 の発現を調べ、その予後や再発のリスク因子となるかを調べる。今後上記研究継続により、
1． H19が頭頚部癌において miR-675 を介して癌遺伝子として機能することを確認する。2． 唾液検体中の H19 および miR-675 を頭頸部癌の早期発見や局所再発の Biomarker として確立する。3. 病理学的に癌を認めない切除断端組織内の H19 および miR-675 を術後局所再発の Biomarker として確立する。
以上三点が期待される。頭頸部癌患者由来の組織収集が遅れている点により1年研究機関を延長した。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
主に細胞株を使用した実験だったことと使用組織は当施設にて得られた検体からのものだったことより予定よりも経費が生じなかった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度請求科研費の使用計画として、1. 癌組織、血液、唾液サンプルからH19, miR-675, を抽出し定量する頭頸部癌組織の臨床検体を50症例から100症例に増やす。2. 情報収集、研究成果公表のための旅費（国際学会）。3. 各臨床検体の臨床情報パラメータとH19 および miR-675 の発現の統計学的関係を検討するために最新の統計ソフトとPCを購入。4. 頭頸部癌切除後患者の術前のみではなく術後、および3か月おきの唾液サンプルを採取し H19 および miR-675 が早期発見の Biomarker として有用か検討する。以上を計画している。
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