本研究は、炎症物質と嗅覚障害の新しい治療法確立を目的とし、まずは、生きたヒト嗅細胞を用いて、ホールセルパッチクランプ法による解析データを、既に多数報告されているイモリ嗅細胞のデータと比較した。そして、炎症物質の投与により、どのような影響を受けるかを確認した。また、炎症制御が外傷性嗅覚障害に対する効果もマウスを用いて検討も行った。 その結果、ヒト嗅細胞の基礎的データを得ることが出来たが、炎症物質の影響を確認できなかった。これはヒト嗅細胞が他の動物種と比べて極めて極めて組織が脆弱であるためだろう。しかし、本研究は外傷性嗅覚障害マウスに有効な物質を複数見つけ、今後の臨床応用が期待される。
|