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2016 年度 実施状況報告書

Tympanic border cellにおける内耳幹細胞の性質の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26861372
研究機関京都大学

研究代表者

谷口 美玲  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (80706713)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード内耳再生 / 内耳幹細胞 / 遺伝子解析
研究実績の概要

本研究の目的は、tympanic border cell近傍の内耳幹細胞の遺伝子発現を解析し、その制御メカニズムの解明することにより内耳再生による感音難聴治療法の開発を行うことである。
昨年度の検討で、マウス内耳蝸牛凍結サンプルを用いたLCM(Laser captured microdissection)法によるRNAサンプル抽出が質・量ともに改善されたものの、cDNAマイクロアレイ解析に使える値 (増幅ありで最低10 ngのRNAかつRIN値が7以上)には到達できなかった。さらに、細胞種の特定のための染色法の改良も必要と考えられた。これらについては、今後も継続して検討を行う予定である。
一方、限られた研究期間で本研究の目的を果たすべく、上記の検討に並行して、本年度より新たな切り口での取り組みも始めた。すなわち、当科で得られたマイクロアレイデータ(伊木ら、投稿中)から内耳幹細胞の候補となる遺伝子をいくつか抽出し、そのキャラクタリゼーションを行うというものである。このデータは細胞種ごとの個別解析でなく、生後0日齢の蝸牛感覚上皮・otosphere・ES細胞、の発現比較解析により得られた。具体的には、蝸牛感覚上皮に比べ、otosphereやES細胞で発現が有意に上昇していた遺伝子について、その検証を行うものである。
まず、週齢の異なる(胎生期~成獣期)マウス内耳について染色による発現確認を行った結果、胎生期~新生仔期にかけて、tympanic border cell近傍でシグナルの確認された遺伝子があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

LCM法によるRNAサンプル抽出が質・量ともに改善されたものの、cDNAマイクロアレイ解析に使える値 には到達できなかった。さらに、細胞種の特定のための染色法の改良も必要と考えられた。これらについてはここ2年間検討しており、今後も継続して検討を行う予定ではあるが、急速に改善できるものではないと思われる。
限られた研究期間で本研究の目的を果たすため、上記の検討に並行して、本年度より新たな切り口での取り組みも始めた。既に当科にて別の手法で得られたマイクロアレイデータ(伊木ら、投稿中)から内耳幹細胞の候補となる遺伝子をいくつか抽出し、そのキャラクタリゼーションを行うというものである。

今後の研究の推進方策

新たな切り口である「マイクロアレイデータから得られた内耳幹細胞の候補遺伝子のキャラクタリゼーション」は、生後0日齢マウスの内耳サンプルの解析である。この日齢において、本研究課題で検討対象のtympanic border cell近傍のslow-cycling cellが検出されていることから、研究目的も合致していると思われる。これら2本立ての検討により、今後研究が推進するものと考えられる。

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公開日: 2018-01-16  

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