研究課題
過去2年間の研究により、ラット声帯スローサイクリング細胞の多くが上皮基底層に存在することが確認された。また、粘膜上皮に上皮マーカー陰性細胞や間葉・血管内皮マーカー陽性細胞が存在すること、粘膜固有層に線維芽細胞マーカー陰性細胞が存在することなどから、未分化な細胞、多分化能を有した細胞が混在すると考えられた。更に、傷害時には経時的に減少することより、スローサイクリング細胞は創傷治癒に動員される可能性が示唆された。今年度も引き続き、ラット声帯における組織幹細胞の検索を目標とし、声帯スローサイクリング細胞のキャラクターの検討を試みた。まず、顕微鏡下にスローサイクリング細胞を豊富に含む組織の採取を試みたが、スローサイクリング細胞の数が少なく、不可能であった。また、スローサイクリング細胞に特有のマーカーを検索したが、特定には至らなかった。今後、スローサイクリング細胞の局在に関する詳細な検討には、ホールマウント染色での評価が必要となる。また、マーカーを特定できれば分離が可能となり、そのキャラクターの詳細な検討が可能となる。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Distribution and characteristics of slow-cycling cells in rat vocal folds.
巻: 126 ページ: 1221-5
10.1002/lary.25558