研究課題
FDG-PETによる頭頸部扁平上皮癌患者138症例での取り込みの確認を行った。この結果全ての症例において原発巣への強い取り込みを認めた。続いて頭頸部扁平上皮癌の細胞株において検討を行った。グルコースの代謝、特に嫌気性代謝に関与するタンパク質の発現を確認した。嫌気性代謝に関わるタンパク質で重要とされるものとしてGLUT1、LDHA、MCT4の発現をWestern blotting、Immnocytochemistry、Flow cytometoryにて確認した。3種類の細胞株において、これらのタンパク質の強い発現が確認された。低酸素においての細胞増殖を検証したが、低酸素状況下で72時間後では増殖能が亢進していた。低酸素状況下での嫌気性代謝に関わるタンパク質の発現を確認したが、これらのタンパク質の発現は増強した。すなわち低酸素下では嫌気性代謝は亢進し、細胞増殖も亢進していると考えられる。酸素がない状況ではTCAサイクルを利用できないので、この結果は妥当であると解釈できる。FaDu、Detroit562、BICR6においてこれらのタンパク質の強い発現を認め、低酸素下では発現は更に増強することを確認した。頭頸部癌においてはグルコースの代謝、特に嫌気性代謝が亢進しており、低酸素下では嫌気性代謝が更に亢進していると考えられた。次にGLUT阻害薬であるPhloretinを用いて細胞株においてグルコースの取り込み抑制を行った。低酸素下において増殖能は放射線照射単独群と比して、Phloretin投与+放射線照射群にて著明に低下した。放射線治療抵抗性とされる低酸素状態において嫌気性代謝は亢進し、グルコース取り込み抑制と放射線照射は頭頸部癌の増殖を著しく抑制した。
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巻: - ページ: -
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