平成27年度にカテコールアミン投与時の内リンパ及び外リンパの静水圧の測定についての論文を投稿していたが、平成28年度は論文修正のための追加実験を行い、受理された。本論文は、前庭・半規管の内リンパ・外リンパ静水圧を測定し、カテコールアミン投与により静水圧が上昇することを実証した初めての論文となった。また、カテコールアミン投与により、蝸牛と前庭・半規管における静水圧の上昇に差があることも示し、メニエール病の病態解明につながると思われる。カテコールアミン投与時の聴覚や平衡機能についても検討を行ったが、有意な結果が得られなかった。正常動物での実験であり、代償作用などにより変化が得られにくいと考えられる。
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