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2015 年度 実績報告書

内耳虚血に対する人工酸素運搬体投与の臨床応用に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 26861388
研究機関愛媛大学

研究代表者

岡田 昌浩  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20512130)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード人工酸素運搬体 / 内耳一過性虚血 / 聴性脳幹反応 / 蝸牛有毛細胞
研究実績の概要

人工酸素運搬体は輸血用赤血球の代用品として開発されたものが、その優れた酸素運搬能のため、虚血性疾患への応用が検討されていた。一方、突発性難聴は原因不明な疾患であるが、内耳虚血が原因として有力視されている。人工酸素運搬体が内耳虚血に対し有効であれば、突発性難聴のあらたな治療法として確立できる可能性がある。今回、人工酸素運搬体の一つであるLiposome-encapsulated hemoglpbin(LEH)の一過性内耳虚血よる内耳障害に対する保護効果の検討を行った。LEHを、虚血前1時間、虚血後1時間に投与し、ABRの閾値変化および、内有毛細胞の脱落割合について検討した。LEHの投与は一過性内耳虚血後の聴力閾値の上昇や内有毛細胞の脱落を有意に抑制した。この効果は、虚血後1時間の投与でもみられた。つまり、虚血前投与、虚血後投与いずれにおいても一過性内耳虚血による内耳障害に対し、LEHの投与は内耳保護効果を有することが示された。内耳虚血後に低酸素状態によりHIF-1が誘導され、HIF-1によりiNOSが産生され、内耳障害を引き起こすが、LEHの投与により速やかに内耳の低酸素状態が緩和され、HIF-1の誘導を減少させ、iNOS産生、NOによる組織障害を低減させることで、内耳保護効果を示すことが示唆された。このLEHが突発性難聴に対する新たな治療薬として有効である可能性が示唆される結果となった。

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公開日: 2017-01-06  

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