癌治療において“がん微小環境”における免疫抑制を解除することが新たな治療戦略となりうると考えられており,そのターゲットのひとつとしてMFG-E8に注目した。今回の研究結果より①MFG-E8は頭頸部癌組織内に発現しており局所進行度・生存率と関連しており,②MFG-E8は頭頸部癌細胞株において細胞内顆粒として分泌されるものの ,③頭頸部癌細胞株におけるMFG-E8の発現量の変化が生じても抗癌剤感受性に変化は見られないことより,MFG-E8は癌細胞から分泌され,直接抗アポトーシス効果に直接作用するのではなく,がん微小環境における免疫担当細胞に作用し,局所免疫応答に抑制的に関与していることが示唆された。
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