当初、Aria‐ⅡセルソーターやautoMACSを用いてヒト扁桃組織よりリンパ球サブッセットのナイーブT細胞とB細胞を分離して、SEBスーパー抗原の存在下にAIM無血清培地で共培養しTfh細胞への分化を誘導する、Tfh細胞分化培養システムを確立した。しかし、このシステムではB細胞と共培養するため解析の際にB細胞由来の成分が影響してしまうという懸念が生じた。そこでナイーブT細胞を分離しAIM無血清培地に抗CD3抗体、抗CD28抗体、IL-21、抗IL-4抗体、抗IFNγ抗体、抗TGF-β抗体を添加しナイーブT細胞単独で培養する新たなTfh細胞分化培養システムを確立した。この新たなTfh細胞分化培養システムの確立によりより精度の高い解析を行うことができるようになった。このTfh細胞分化培養システムを用いて遷移Tfh細胞への分化誘導、分化誘導に必要なサイトカイン等の条件の検討を行っている。また、同時にTfh細胞の機能的マーカーであるBOB1やBcl6を発現目安として遷移Tfh細胞のトランスクリプトーム機能解析を行い遷移Tfh細胞の新しい機能調節マーカーについて検討を重ねている。それらと並行してアレルギー性鼻炎や気管支喘息などの免疫アレルギー疾患患者の末梢血液中の遷移Tfh細胞の解析も施行している。末梢血液中の遷移Tfh細胞の種類や分布がクラススイッチの偏りの成因となりうるかについて検討を行っている。
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