研究課題/領域番号 |
26861400
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
長屋 朋典 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60517902)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | .濾胞ヘルパーT細胞 / 脂質メディエーター |
研究実績の概要 |
.手術検体の扁桃組織や末梢血液から、セルソーターを用いて単離したナイーブT細胞をAIM無血清培地に抗CD3抗体、抗CD28抗体、IL-6、IL-12、IL-21、抗IL-4抗体、抗IFNγ抗体、TGF-βを添加した培地で培養しTfh細胞への分化を誘導するTfh細胞分化誘導システムを確立した。我々の過去の研究では脂質メディエーターの産生を担う5-リポキシゲナーゼ(Alox5)ノックアウトマウスでは免疫後の脾臓内におけるTfh細胞の割合が減少することを報告した。その報告からナイーブT細胞からTfh細胞への分化に脂質メディエーターが関与していると考え、Tfh細胞分化誘導システムに各種脂質メディエーターを添加しFACSで解析した。Tfh細胞分化誘導モデルにロイコトリエンB4、C4、D4、E4、リポキシンA4を添加し培養4日目にFACSで解析したところリポキシンA4、ロイコトリエンB4を添加したもので優位にTfh細胞への分化が促進された。また、この結果はリポキシンAの4特異的な細胞表面受容体であるFPR2のアゴニストBML-111およびアンタゴニストBOC-2を用いた実験においても確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
.以前はヒト扁桃組織だけからナイーブT細胞を単離しており手術がない時期には検体を入手することができなかったが末梢血液からも研究に必要な量のナイーブT細胞を単離できるようになったことで安定してナイーブT細胞を入手できるようになり、昨年度の遅れが取り戻すことができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
.Tfh細胞分化モデルを用いて脂質メディエーターのリポキシンA4、ロイコトリエンB4がナイーブT細胞のTfh細胞への分化を促進することを明らかにした。今後はさらに各種脂質メディエーターが機能的にT細胞やB細胞にどのように影響しているかを分析し免疫アレルギー疾患の病態形成や新たな治療法の解明を目指していきたい。
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