研究実績の概要 |
2014年の研究はbipotential scaffold(vitrigel薄膜をコラーゲンスポンジに付加したもの)にbasic fibroblast growth factor(b-FGF)を含有させた新たな人工材料を作製すること、移植後に人工材料から徐放されるb-FGFの状況を確認すること、を目的としている。作製過程のなかで添加するb-FGF濃度を変化させることで下記に示す含有濃度の異なる3種類の材料を作製した。人工材料からのb-FGFの徐放は3日以内に行われることが確認された。 2015年の研究は人工材料に含有させるb-FGF濃度を3種類((A)0ng,(B)10ng,(C)100ng)設定し、それぞれの人工材料が気管粘膜再生に及ぼす影響を光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡で観察すること、を目的としている。SDラットに気管欠損を作り、人工材料を移植後7日、14日、28日の状態を評価した。含有しているb-FGF濃度が高いほど、気管粘膜再建の程度は気管上皮においても上皮下層においても有利であった。また、人工材料(C)において気管再建部を走査型電子顕微鏡で観察し、線毛の再生を観察することができた。移植後7日の時点から線毛は観察可能であった。
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