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2014 年度 実施状況報告書

聾モデルラットにおける聴覚連合野での形態学的変化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26861407
研究機関横浜市立大学

研究代表者

荒井 康裕  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90614818)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード聴覚中枢路 / 聴覚連合野 / 内側膝状体 / 人工内耳
研究実績の概要

本研究の目的は、先天聾や失聴期間の長い成人における言語発達や言語理解の程度を神経解剖学的観点から検討するため、聴覚中枢路、特に言語理解に重要である聴覚連合野にいたる神経細胞数、大きさ、髄鞘化等を正常ラットおよび聾モデルラットを用いて明らかにすることである。まず、正常Wisterラットで神経トレーサー(フルオロゴールド)を聴覚連合野に注入し1週間後に脳の連続凍結切片で、内側膝状体に標識された細胞体数を蛍光顕微鏡下で観察することを可能にした。次に、Hearing on set 前(6日齢)、Hearing on set後(13週齢)に聾としたラットでの内側膝状体にいたる細胞数、大きさの評価を行うため、Wisterラットにアミカシン0.5mg/gを14日間連続で皮下注射する事により聾モデルラットを作成した。聾としてからA. 短期(4週間後)、B. 中期(12週間後)経過後に正常Wisterラットと同様な実験を行い比較検討したところ、Hearing on set 前聾モデルラットでは正常ラットと比較し明らかな細胞数、大きさの変化をみとめなかった。引き続き、長期(24週間)経過後での評価、Hearing on set後聾モデルラットで同様な実験を施行中の段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、正常Wisterラットで順行性神経トレーサーであるビオチンデキストランアミンを内側膝状体に注入し、1週間後に脳の連続凍結切片で、聴覚連合野に標識された細胞体数を蛍光顕微鏡下で観察する予定であったため、実験を遂行したが聴覚連合野で評価可能な結果を得ることができず、その他の神経トレーサー等での実験を必要とし時間を要したため。

今後の研究の推進方策

正常ラット、hearing onset 前およびhearing onset後に聾としたラットを用いて、髄鞘の主要構成蛋白のひとつであるmyelin basic protein(MBP)、血管周囲のグリア境界膜を介して循環系から最初にグルコースを取り込みニューロンの代謝的支援に関係している星状膠細胞の主要細胞内骨格蛋白であるglial fibrillary acidic protein (GFAP)を抗 GFAP 抗体、血管内皮細胞のマーカーで血管新生にも関係しているといわれるPlatelet endothelial cellular adhesion molecule-1 (PECAM-1,CD31)、それぞれの免疫染色をおこない比較検討することにより、髄鞘化、星状膠細胞、血管神経と聴覚伝導路との関与を検討する。以上の結果をもとに、先天聾の成人や失聴期間の長い成人における言語理解、言語発達への影響を形態学的観点から予測し、人工内耳の適応を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度施行予定としていた一部の動物実験が次年度に行われる予定となったため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

昨年度施行予定であった動物実験とそれに続き、統計学ソフトを用いて統計学的解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Novel PTPRQ mutations identified in three congenital hearing loss patients with various types of hearing loss.2015

    • 著者名/発表者名
      Sakuma N, Moteki H, Araiez H, Booth KT, Takahashi M, Arai Y, Shearer AE, Sloan CM, Nishio SY, Kolbe DL, Iwasaki S, Oridate N, Smith RJ, Usami SI
    • 雑誌名

      Annals of Otology, Rhinology & Laryngology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      -

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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