研究課題
本研究の目的は、先天聾や失調期間の長い成人における言語発達や言語理解の程度を神経解剖学的観点から検討するため、聴覚中枢路、特に言語理解に重要である聴覚連合野にいたる神経細胞数、大きさ、髄鞘化等を正常ラットおよび聾モデルラットを用いた明らかにすることである。まず、正常Wisterラットで神経トレーサー(フルオロゴールド)を聴覚連合野に注入し1週間後に脳の連続凍結切片で、内側膝状体に標識された細胞体数を蛍光顕微鏡下で観察した。次に、Hearing on set前、Hearing on seto後に聾としたラットで内側膝状体にいたる細胞数、大きさの評価を行うため、Wisterラットにアミカシン0.5mg/gを14日間連続で皮下注射する事により聾モデルラットを作成した。聾としてからA.短期(4週間後)、B.中期(8週間後)経過後に正常Wisterラットと同様な実験を行い比較検討したところ、Hearing on set前聾モデルラットでは正常ラットと比較し明らかな細胞数、大きさの変化を認めなかった。また、C.長期(16週間後)経過後でも明らかな細胞数、大きさの変化を認めなかった。次に、髄鞘化、星状膠細胞の関与について解明するために、抗myelin basic protein(MBP)抗体、抗 GFAP 抗体を用いてHearing on set前聾モデルラットで4週間後および8週間後に得られた凍結切片に免疫組織化学染色を施行したが、正常ラットと比較し明らかな違いを認めなかった。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Journal Human Genetics
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