研究の目的は、先天聾や失調期間の長い成人における言語発達や言語理解の程度を神経解剖学的観点から検討するため、言語理解に重要である聴覚連合野にいたる神経細胞、髄鞘化等を正常ラットと聾モデルラットを用いて明らかにすることである。まず、正常ラットで神経トレーサーを聴覚連合野に注入し1週間後に脳の内側膝状体に標識された細胞体数を観察した。次に、聾ラットで内側膝状体にいたる細胞の評価を行い、正常ラットと比較検討したが明らかな細胞数、大きさの変化を認めなかった。次に、髄鞘化、星状膠細胞の関与について解明するために、抗体を用いて免疫組織化学染色を施行したが、正常ラットと比較し違いを認めなかった。
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