研究課題/領域番号 |
26861414
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大石 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10348740)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 耳鳴 / 加齢性難聴 / 驚愕反射 |
研究実績の概要 |
加齢性耳鳴の病態生理を解析するために、生理的な加齢性難聴を呈するCBA/Jマウスにおける耳鳴の有無を、Gap Detection Test(以下GDT)を用いて判定した。GDTとは、驚愕刺激(startle stimulus)に対する驚愕反射を用いた動物モデルの耳鳴評価法である。すでに当教室において、施行条件の最適化が済んでおり、同条件を適応することで、耳鳴の加齢性出現の有無を検出できるかどうかにつき検討した。 生後9か月齢となったマウス群(N=7)を対象に、GDTの結果において経時的な変化がみられるかどうかを、生後20か月まで測定を続けた。その結果、生後20か月の時点で、24KHzの周波数において、統計学的に有意に若年期に比べて耳鳴が検出された。すなわち、GDTは加齢性難聴の検出にも有用な検査法であることが示唆され、また加齢に伴いマウスにも耳鳴が比較的高音域に生じている可能性が示唆された。 追加実験として、音響外傷により同程度の聴力障害を来したマウスに対してGDT測定を行い、音響外傷に代表される急性難聴と、加齢性変化に代表される慢性難聴との間に、GDT測定結果が異なるのかどうか、の評価を開始している。同実験結果が出そろい次第、論文投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は2年計画での実験を予定しており、予定していた研究を終了し一定の結果を得たが、一部の結果をサポートするための追加実験が必要と判断し、平成27年度後半から追加実験を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の追加実験は半年程度での終了を見込んでおり、追加実験終了後には論文作成に取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定実験を終了後に追加実験を行うこととなり、年度末に予定していた国際学会発表および論文作成を延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
追加実験のための材料費など、および学会参加、論文校正・投稿費などに使用予定である。
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