ネコ網膜において網膜神経血管連関の存在を明らかにした。つまり、16Hzの点滅光を網膜に照射することで、約60%もの網膜血流が上昇(フリッカー血流増加反応)することがわかり、また、この血流増加反応には網膜グリア細胞、神経細胞由来の一酸化窒素(NO)による血管拡張作用が関与していることを突き止めた。つまり、グリア細胞障害を引き起こす薬剤であるL-aminoadipic acid (LAA)をネコ硝子体内腔に投与することで、フリッカー血流増加反応が1/3程度まで減弱し、さらに、神経由来NO合成酵素阻害剤であるL-NPAを同時に投与することで、この血流増加反応がほぼ完全に消失した。 本研究によって、ネコ網膜では神経機能と網膜循環がその相互作用により循環調節していることが明らかとなり、それは網膜グリア細胞および神経由来と考えられるNOによる反応であることが示唆された。
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