研究課題/領域番号 |
26861436
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
北橋 正康 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30456040)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | WRN遺伝子 / ミュラー細胞 |
研究実績の概要 |
H26年度にヒト成人網膜凍結切片でWRNたんぱくとミュラー細胞マーカーであるvimentinの二重染色とDAPIによる核染色を行った。WRNタンパクは、GCLからONLにかけて発現し、主にミュラー細胞のマーカーであるVimentinの局在と一致したが、アストロサイトのマーカーであるGFAPとは一致しなかった。DAPIとは一致せずWRNタンパクの細胞内の局在は閣内ではなく細胞質であった。このことからヒト成人網膜においてWRNタンパクは、ミュラー細胞の細胞質内に存在することが明らかとなった。(Oshitari T, Kitahashi M, Mizuno S, et al. Werner syndrome with refractory cystoid macular edema and immunohistochemical analysis of WRN proteins in human retinas. BMC Ophthalmol 2014;14:31.)
H27年度はWRN遺伝子のミュラー細胞における役割を解析するために、ヒトミュラー細胞株であるMIO-M1細胞を用いてWRN遺伝子ノックダウンを計画した。しかし当初MIO-M1細胞の共同研究者からの入手が困難となったため、マウスミュラー細胞株であるTR-MUL5を使用してWrn遺伝子ノックダウンを試みた。ヒトではWRN遺伝子単独のノックアウトまたはノックダウンで表現型が確認されているが、マウスの場合、Wrn遺伝子単独の欠損では表現型を示さないことから、Wrn遺伝子とテロメア遺伝子のダブルノックダウンを行った。両遺伝子のノックダウン細胞株を得ることができたが、野生型とノックダウン細胞株の間に表現型を見出すことはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初MIO-M1細胞の共同研究者からの入手が困難となったため、マウスミュラー細胞株であるTR-MUL5を使用してWrn遺伝子ノックダウンを試みた。ヒトではWRN遺伝子単独のノックアウトまたはノックダウンで表現型が確認されているが、マウスの場合、Wrn遺伝子単独の欠損では表現型を示さないことから、Wrn遺伝子とテロメア遺伝子のダブルノックダウンを行った。両遺伝子のノックダウン細胞株を得ることができたが、野生型とノックダウン細胞株の間に表現型を見出すことはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
やはりマウス細胞株ではWrn遺伝子のノックダウンを行っても表現型を示さないことから、ヒトミュラー細胞株であるMIO-M1細胞株による検討が望まれる。幸いにも現在MIO-M1が商品化されたため購入することが可能となった。その細胞株を用いて、今後WRN遺伝子のノックダウンを行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度は研究にやや遅れがみられたため、研究費を使用することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
MIO-M1が商品化されたため購入することが可能となった。その細胞株を用いて、今後WRN遺伝子のノックダウンを行っていく予定である。
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