研究実績の概要 |
H26年度にはヒト成人網膜凍結切片で作成したWRNタンパクとミュラー細胞のマーカーであるVimnetinの二重染色とDAPIによる核染色を行った。WRNタンパクは、GCLからONLにかけて発現し、主にミュラー細胞のマーカーであるVimentinの局在と一致したが、アストロサイトのマーカーであるGFAPとは一致しなかった。DPIとは一致せずWRNタンパクの局在は核内ではなく細胞質であることが示された。このことからヒト成人網膜においてWRNタンパクはミュラー細胞の細胞質内に局在することが分かった。(OshitariT, Kitahahi M, Mizuno S, et al. Werner syndrome with refractory cystoid macular edema and immuno-histochemical analysis of WRN proteins in human retinas. BMC Ophthalmol 2014;14:31.
H27年からH28年度にはWRN遺伝子のミュラー細胞における役割を解析するために、マウスミュラー細胞株であるTR-MUL5を使用してWrn遺伝子ノックダウンを試みた。ヒトではWRN遺伝子の単独ノックダウンで表現型が確認されているが、マウスではWrn遺伝子単独では表現型を示すことはなかった。そこでヒトミュラー細胞株であるMIO-M1細胞を用いてWRN遺伝子ノックダウンを試みたが、ノックダウンの安定株を得ることができなかった。
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