研究実績の概要 |
視細胞特異的mitochondrial transcription factor A (TFAM)のコンディショナルノックアウトマウスを作成した。これまでのところ、生後一定期間生存するコンディショナルノックアウトマウスが得られる確率は、遺伝形式から予想される確率よりも相当に低く、10匹以下であった。各種の免疫染色を用いて、フェノタイプの検討を可能な限り加えた。 細胞死に関してはTUNEL染色, 抗cleaved caspase 3抗体, 抗AIF抗体等、を用いて細胞死の特性について検討を行った。また、ネクロプトーシスを示唆するreceptor-interacting protein kinase 3 (RIP3)やMixed lineage kinase domain-like protein (MLKL)等の発現についても検討を加えた。また、生後の網膜の発生、発達に関しても経時的な変化を観察した。特に錐体視細胞、桿体視細胞におけるTFAM欠損の影響に注目して観察を行った。一方で、機能的解析を加えることは得られるマウスの匹数が少ないため困難であった。 in vitroの系で661Wを用いた実験を計画、試行した。残念ながら661Wマウス視細胞株への siRNAとランスフェクション効率が低く、実験の遂行は困難と考えられた。 ミトコンドリア病関連網膜変性をマウスモデルで検討した例は無いと考えられ、研究報告として論文化の作業を開始した。
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