研究課題/領域番号 |
26861439
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
畑瀬 哲尚 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20723943)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 経角膜電気刺激治療 / 外傷性視神経症 / 虚血性視神経症 / 瞳孔記録計RAPDx |
研究実績の概要 |
難治性視神経症である外傷性視神経症や虚血性視神経症は現在のところ著効する治療法は未だ確立されていない。当科では経角膜電気刺激治療といった新たな治療法をこれらの症例に対して行い、ある程度(疾患によっては40%)の症例で視機能が改善することを経験し、学会等にて報告した。しかし視機能改善は視力検査、視野検査といった自覚的検査での評価しかなく、他覚的かつ定量的に評価する方法を必要としていた。 本研究は、外傷性視神経症や虚血性視神経症などの難治性視神経疾患に対して経角膜電気刺激治療の他覚的、定量的評価を瞳孔記録計RAPDxを用いて行うことを目的とした研究だが、この1年間に難治性視神経症である外傷性視神経症、虚血性視神経症の症例のどちらもが当科への受診がほとんどなかったことにより、残念ながら今のところ実績はあまりないのが実情である。しかし、視神経炎の改善過程の評価には、今までは視力検査や視野検査といった自覚的検査での評価しかなかったが、RAPDxを使用することにより他覚的、定量的な評価が可能になったことや、心因性視覚障害の診断は臨床の場では大変苦慮することが多々あるが、片眼性の同疾患の場合はRAPDxを用いて他覚的にRAPDが陰性であることを確認できれば診断に大変有用であるということが新たな利点として判明した。今後は引き続き外傷性視神経症と虚血性視神経症の症例を集めることを行いつつ、視神経炎の改善過程の症例においてもRAPDxを施行することを並行して行ってこうと思っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
外傷性視神経症、虚血性視神経症の症例のどちらもこの1年間に当科への受診がほとんどなかったことが1番の理由である。 外傷性視神経症症例はゼロ、虚血性視神経症症例は1例のみであった。 その1例も光覚なしの重症例であり、経角膜電気刺激治療を行い、その前後にRAPDxでの評価を行ったが、残念ながら治療後の視力も光覚なしのままであり、もちろんRAPDxの結果も治療前後に変化は認められなかった。しかし、現在両疾患ともに発症したばかりの症例が1例ずつおり、同意を得ることができればいずれ経角膜電気刺激治療を行い、その前後でのRAPDxの評価を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き外傷性視神経症と虚血性視神経症の症例を集めることを何より第一に行っていく。ただ、両疾患は症例自体が少なく、平成27年度も症例不足の可能性も否定はできないので、両疾患に比べると症例数が多い視神経炎の改善過程の症例においてもRAPDxを施行することを並行して行ってこうと思っている。また、平成28年度は治療結果の解析に重きを置き、外傷性視神経症と虚血性視神経症の目標症例数は定めていなかったが、28年度も症例を集めることにすれば、症例数は増えるものと考えている。
|