研究課題/領域番号 |
26861442
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
家里 康弘 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (00708357)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 血管透過性亢進 / アドレノメデュリン / RAMP2 / VEGF |
研究実績の概要 |
レーザー誘導脈絡膜新生血管モデルを90%前後で安定的に作成が可能となり、脈絡膜新生血管の組織染色で脈絡膜新生血管の発生だけではなく、マウスでのフルオレセイン蛍光眼底造影の手技が可能となったため、同手法を用いて野生型マウスにおける脈絡膜新生血管の形成および血管透過性の評価を行い、モデルの再現性を確認した。血管透過性亢進についてはIn vitroの実験系としてTEERなども行っている。またノックアウトマウス(KO)での検討においては、AMヘテロKOの報告はすでにあるが、RAMP2ヘテロKOでのフルオレセイン蛍光眼底造影検査の報告はない。そのためコントロールおよびRAMP2ヘテロKOにおける疾患モデルではないフルオレセイン蛍光眼底造影の評価を行った。結果としてRAMP2ヘテロKOにおいてもコントロールと同様の蛍光眼底所見を認めて有意な差はとくに認められなかった。臨床的に加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの新生血管をきたす眼疾患において、血管新生に伴う血管透過性の亢進が網膜の浮腫をきたして視力低下を引き起こすことも知られており、血管新生の制御とともに主要な治療目的である。この血管透過性の亢進には血管内皮増殖因子(VEGF)の強い関与が示されているが、本研究の主題であるAM-RAMP2系はその下流にVEGFを有しており、AMの投与が血管透過性の抑制につながる可能性がある。そのため現在、レーザー誘導脈絡膜新生血管モデルを用いてAM-RAMP2系とともにVEGF過剰発現であるKimbaマウスなども用いてAMの投与による血管透過性亢進の抑制効果などの検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レーザー誘導脈絡膜新生血管モデルとin vitroでの評価方法(TEER, tube formation assay)を確立した。 VEGFを主体としてKimbaマウスなども用いて評価検討を進められているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
AMヘテロKOマウスやRAMP2ヘテロKOマウスとともに、眼疾患の病態に近似したKimbaマウスやAkitaマウスも用いて、AM-RAMP系の薬剤投与などによる血管透過性亢進の制御の可能性について研究を進める。また病態の解明のためにin vitroでの検討も同時に進めていく。
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