実験用家兎においてポリエチレングリコールとモデルペプチドからなる生体適合性架橋剤とフェムト秒レーザーを用いた角膜実質再生治療法の開発を行った。家兎実質に対しフェムト秒レーザーを用いて水平方向の切開を行い、生体適合性架橋剤とⅠ型コラーゲンの混和物を注入した。術後、細隙灯顕微鏡および前眼部光断層計にて角膜実質の中層に実質層が確認された。また、組織学的検討においても角膜実質中層に人工実質層が確認された。一方、注入部位において血管侵入や炎症細胞の浸潤は認めなかった。新たな生体適合性架橋剤とフェムト秒レーザーを融合させた角膜実質再生治療は、菲薄化角膜に対する有効な治療法になる可能性が示唆された
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