本研究ではcAMPを介するSIRT1活性化の解析と、病的血管新生と加齢変化におけるSIRT1及びcAMP輸送体であるMRP4の機能解析を行うことを目的とした。まずin vitro実験においてcAMPの上昇に伴いSIRT1が上昇することが示された。さらにMrp4ノックアウト(KO)マウスの高酸素負荷モデルを用いたところ、P17のKOマウスにおいて病的新生血管や虚血はより重症であった。P28でもKOマウスの血管形成は正常化に至っていない印象であった。一方、加齢に伴う網膜組織の変化は少ないものと考えられた。Mrp4はcAMPやSIRT1を介して血管新生において重要な役割を担う可能性が示唆された。
|