加齢黄斑変性、増殖性硝子体網膜症などにおける後眼部組織の線維化による瘢痕形成は永続的な視機能低下につながるが、今なお直接的な治療法は開発されていない。その病態には網膜色素上皮(RPE)の線維性変化が大きく関わる。そこで線維性変化においてどのような分子ネットワークが変化をしているのかを網羅的に解析し、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬を用いて線維化抑制効果を調べた。細胞モデルではTGFβ2、TNFαを線維化誘導剤として使用し、α-SMAの発現亢進、CD44、MMP9の遺伝子、タンパクレベルでの有意な発現亢進を認め、HDAC阻害薬によりRPEの線維芽細胞様変化が抑制された。
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