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2016 年度 実績報告書

mTOR signaling・紫外線・抗酸化剤に着目した近視進行抑制効果の比較

研究課題

研究課題/領域番号 26861467
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

鳥居 秀成  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50445326)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード近視 / 屋外活動 / バイオレット / 眼軸長 / 眼鏡 / コンタクトレンズ / 屋外環境 / EGR1
研究実績の概要

近視が発症・進行する原因は不明であり、現在世界の近視人口は増加し続け2050年には世界人口の約半分である約50億人になるという予測が報告されている。また、これまでに屋外環境が近視進行を抑制することが複数の疫学研究や動物実験から指摘されていたが、屋外環境の何が近視進行抑制に効いているのか、またそのメカニズムは不明であった。我々は屋外環境、すなわち太陽光に豊富に含まれる波長360~400 nmのバイオレット光に着目し、実験近視モデルとして確立しているヒヨコを用いて研究を進めた結果、バイオレット光を浴びたヒヨコの近視進行が有意に抑制され、バイオレット光を浴びたヒヨコの眼で近視進行を抑制する遺伝子として知られているEarly growth response 1 (EGR1)が上昇していることがわかり、バイオレット光が近視進行を抑制するメカニズムとしてEGR1が関与している可能性を報告(Torii H et al. EBioMedicine, 2017) した。さらにその論文の中で、臨床研究からもバイオレット光を透過するコンタクトレンズを装用している人の方が、バイオレット光を透過しないコンタクトレンズや眼鏡を装用している人よりも眼軸長伸長が有意に抑制されていること、現在私達が日常的に使用しているLEDや蛍光灯などの照明にはバイオレット光はほとんど含まれておらず、眼鏡やガラスなどの材質もバイオレット光をほとんど通さないことも報告した。即ち現代社会においてはバイオレット光が欠如しており、これが近年の近視の世界的な増大と関係している可能性がある。
本研究成果は近視発症・進行メカニズムの解明と新規治療開発を通して、今後世界の近視人口増加に歯止めをかける一助になる可能性があるものと期待され、慶應義塾大学医学部から日本語・英語でプレスリリースされ、その後各種メディアに取り上げられている。

備考

慶應義塾大学からのプレスリリース

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression2017

    • 著者名/発表者名
      Hidemasa Torii, Toshihide Kurihara, Yuko Seko, Kazuno Negishi, Kazuhiko Ohnuma, Takaaki Inaba, Motoko Kawashima, Xiaoyan Jiang, Shinichiro Kondo, Maki Miyauchi, Yukihiro Miwa, Yusaku Katada, Kiwako Mori, Keiichi Kato, Kinya Tsubota, Hiroshi Goto, Mayumi Oda, Megumi Hatori, Kazuo Tsubota.
    • 雑誌名

      EBioMedicine

      巻: 15 ページ: 210-219

    • DOI

      10.1016/j.ebiom.2016.12.007

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 小児の目の健康について -急増する近視人口とそれに挑む近視進行抑制法2017

    • 著者名/発表者名
      鳥居秀成
    • 学会等名
      第2回ファーマシーフェア2017
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2017-04-23
    • 招待講演
  • [学会発表] 現在の近視進行抑制方法とその効果2017

    • 著者名/発表者名
      鳥居秀成
    • 学会等名
      第30回長野県眼科フォーラム
    • 発表場所
      ホテルJALシティ長野(長野県長野市)
    • 年月日
      2017-02-18
    • 招待講演
  • [備考] 現代社会に欠如しているバイオレット光が近視進行を抑制することを発見-近視進行抑制に紫の光-

    • URL

      https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2016/12/26/28-19271/

  • [産業財産権] 近視予防物品及ひ近視予防セット2015

    • 発明者名
      坪田一男、根岸一乃、鳥居秀成、栗原俊英
    • 権利者名
      株式会社坪田ラボ
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特許第6085722号
    • 出願年月日
      2015-06-03
    • 取得年月日
      2017-02-03

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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