プロサポシン(PSAP)は4つのサポシンの前駆体タンパク質であるが、細胞外に分泌され、独自の生物機能を有すると推定されている。網膜色素上皮細胞(RPE)からのPSAPの分泌に関わるセマフォリン4Aの欠損症は網膜色素変性症を引き起こす。本研究では、PSAP欠損マウス(PSAP-KO)及びPSAP過剰発現マウス(PSAP-Tg)の網膜の表現型解析を行った。PSAP-KOの網膜では明らかな視細胞の変性脱落を認めなかったのに対し、PSAP-Tgの網膜では5週齢までに視細胞が完全脱落した。以上の結果より、視細胞あるいはRPE内におけるPSAPの発現量の上昇が視細胞死を惹起することが示唆された。
|