研究課題/領域番号 |
26861485
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
坂井 宏平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30515292)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 横隔膜ヘルニア / ボンベシン / ニトロフェン |
研究実績の概要 |
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)は新生児外科疾患の中で未だ高い致死率を示す疾患である。近年、高頻度振動換気や体外膜型人工肺による呼吸器管理、一酸化窒素(NO)吸入療法の導入が試みられている。当施設ではgentle vetilationを主体とした集中管理で、生存率の著明な向上を得た(Kimura O, et al. Pediatr Surg Int. 2012)。しかし、重度の肺低形成症例の救命率は未だ改善を得られていない。 胎児肺成熟因子としてレチノイン酸やステロイドが報告されているが、神経ペプチド・ボンベシン(BBS)にも胎仔肺成熟を促す効果が報告されている(Emanuel RL,et al;Am J Physiol.1999)申請者らの他研究分野におけるBBSの使用経験(Furukawa T, et al. J Pediatr Surg. 2003)を基に横隔膜ヘルニアモデルラットを用いてBBSの肺成熟への関与を検討した。 これまでの実験でボンベシン投与は50μg/kg/dayまでは容量依存性に肺体重比が増加することを確認している。平成26年度はボンベシンの投与時期に関してのリサーチを行った。E1、E7、E14、E20でそれぞれグループを作成したが、E14までは肺体重比の増加を確認できた実際の臨床の状態に照らし合わせ、E14投与群の肺組織に関して肺成熟マーカーを評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボンベシンをE14に投与した群で肺成熟傾向があることを確認できた。 この結果を第51回日本小児外科学会、第47回太平洋小児外科学会において発表した。 また、Journal of Pediatric Surgeryにこの実験結果を論文として投稿し、12月号へ掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
ボンベシンの投与量がどこまで容量依存性に効果があるのか、投与日の更に試適な日程はないかの検討を行う。 また、肺成熟効果があるといわれているステロイドやレチノイン酸との併用に関しても検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に予定いていた実験結果は比較的早い段階で得ることができたため、必要物品が少なく済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はレチノイン酸やステロイド投与モデルの作成を行うため、より多くの妊娠ラットを作成する必要がある。また、肺成熟マーカーも他のものを検討する必要があり、各種試薬を準備する予定である。
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