研究課題/領域番号 |
26861486
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
三谷 泰之 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40612106)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肝芽腫 |
研究実績の概要 |
臨床的研究において,肝芽腫外科切除症例の5例を対象に,CEACAM1細胞内ドメイン特異的抗体であるCEACAM1 long antibodies およびCEACAM1 short antibodies による免疫染色を施行した.その結果,再発や遠隔転移を来した症例では,CEACAM1 longおよびshortの発現はheterogeneous expression paternを示し,一方で,再発や遠隔転移を来さなかった症例では,homogeneous expression paternを示した.細胞内でのCEACAM1 long およびshortの強発現が予後良好因子であることが示唆された. 基礎的研究において,肝芽腫細胞株であるHepG2およびHuh-6 clone5のCEACAM1の発現をRT-PCRで確認した.HepG2は,CEACAM1-4SとCEACAM1-4Lの両方を発現し,Huh-6 clone5はCEACAM1-4SとCEACAM1-4Lの両方を発現しなかった.CEACAM1-4SとCEACAM1-4Lを共に発現しているHepG2に関しては,リポフェクション法にてCEACAM1を抑制した細胞株を作成した.また,CEACAM1-4SとCEACAM1-4Lを共に発現していないHuh-6 clone5に関しては,all-trans retinoic acidによって,CEACAM1-4SとCEACAM1-4Lが共に誘導されることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はほぼ計画通り進行している.まず,臨床病理学的検討にて,肝芽腫の臨床検体において細胞内でのCEACAM1 longおよびshortの強発現が予後良好因子であることが示唆された.続いて,基礎的研究において,肝芽腫細胞株であるHepG2およびHuh-6 clone5のCEACAM1の発現形式とその発現の誘導と抑制が可能であることを確認した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続いて,基礎的研究を行う. 初年度の研究より,肝芽腫細胞株であるHepG2およびHuh-6 clone5においてCEACAM1の抑制や誘導が可能であることが確認できているため,CEACAM1の発現によって抗癌剤の感受性が変化するかを肝芽腫治療のkey drugであるシスプラチンを用いて確認する.
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