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2014 年度 実施状況報告書

遺伝子発現プロファイルより導かれたリンパ管腫関連遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26861487
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

加藤 源俊  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20573463)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードリンパ管腫 / リンパ管奇形
研究実績の概要

(1)リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells,HL-LEC)の樹立に関して 昨年度は手術時の切除検体からリンパ管内皮細胞3株を得ることができた。また、HL-LECを効率的に得る方法として、磁気細胞分離装置を用いた細胞の精製を確立し、1株に対して成功している。今後もHL-LECの樹立を継続すると共に、 磁気細胞分離装置を用いた細胞の精製を行ってゆく。
(2)HL-LECにおける異常発現遺伝子の確認に関して 藤野らが得たリンパ管腫の病態と関連する候補遺伝子(約15遺伝子、未公表)に関し、HL-LECと正常LECを用いて、RT-PCRによる遺伝子発現の確認を行った。
(3)異常発現遺伝子の機能解析に関して 遺伝子の性質上疾患との関連が強く疑われる遺伝子に関し、機能解析を開始している。上記(2)のごとく、RT-PCRによる遺伝子発現の確認を行った。正常LECにLenti virusによるTransfectionで遺伝子導入を行い、過剰発現モデルを作成した。この過剰発現モデル細胞株を用いたRT-PCRにより遺伝子発現を確認できており、今後はこの細胞株の機能解析を進める予定である。現在、同細胞株をNOGマウスに移植し、リンパ管腫様組織の形成実験を行っている。また、HL-LECにおいて、siRNAによる遺伝子ノックダウンモデルを作成しており、今後はこの細胞株の機能解析を進める予定ある。
(4)HL-LECに対する漢方薬の影響の検討 近年、リンパ管腫の患児に対して特定の漢方薬の内服により病変の縮小効果を示した、との報告が増えてきている。これらの漢方薬の作用機序を解明するためにHL-LECに対する漢方薬の効果を検討した。この結果は第52回日本小児外科学会学術集会、European Pediatric Surgery Association 2015で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells,HL-LEC)の樹立に関して 昨年度は手術時の切除検体からリンパ管内皮細胞3株を得ることができた。また、HL-LECを効率的に得る方法として、磁気細胞分離装置を用いた細胞の精製を確立し、1株に対して成功している。
(2)HL-LECにおける異常発現遺伝子の確認に関して 藤野らが得たリンパ管腫の病態と関連する候補遺伝子(約15遺伝子、未公表)に関し、HL-LECと正常LECを用いて、RT-PCRによる遺伝子発現の確認を行った。
(3)異常発現遺伝子の機能解析に関して 遺伝子の性質上疾患との関連が強く疑われる遺伝子に関し、機能解析を開始している。上記(2)のごとく、RT-PCRによる遺伝子発現の確認を行った。正常LECにLenti virusによるTransfectionで遺伝子導入を行い、過剰発現モデルを作成した。現在、同細胞株をNOGマウスに移植し、リンパ管腫様組織の形成実験を行っている。また、HL-LECにおいて、siRNAによる遺伝子ノックダウンモデルを作成した。
(4)HL-LECに対する漢方薬の影響の検討 近年、リンパ管腫の患児に対して特定の漢方薬の内服により病変の縮小効果を示した、との報告が増えてきている。これらの漢方薬の作用機序を解明するためにHL-LECに対する漢方薬の効果を検討した。この結果は第52回日本小児外科学会学術集会、European Pediatric Surgery Association 2015で発表予定である。

今後の研究の推進方策

(1)リンパ管腫患者由来リンパ管内皮細胞株(Human lymphangioma-derived lymphatic endothelial cells,HL-LEC)の樹立に関して 今年度も手術時の切除検体からリンパ管内皮細胞株の樹立を行ってゆく。また、HL-LECを効率的に得る磁気細胞分離装置を用いた細胞の精製を行ってゆく。
(2)異常発現遺伝子の機能解析に関して 遺伝子の性質上疾患との関連が強く疑われる遺伝子に関し、機能解析を開始している。正常LECにLenti virusによるTransfectionで遺伝子導入を行い、過剰発現モデルを作成した。この細胞株の機能解析を進める予定である。現在、同細胞株をNOGマウスに移植し、リンパ管腫様組織の形成実験を行っている。また、HL-LECにおいて、siRNAによる遺伝子ノックダウンモデルを作成しており、今後はこの細胞株の機能解析を進める予定ある。genechipによる遺伝子発現プロファイルの変化、増殖能や遊走能の検討などをおこなってゆく。
(3)全候補遺伝子に対する同様の検討の継続に関して 上記(2)において着目した遺伝子以外の候補遺伝子に関しても同様の検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

物品費に関しては、想定していた試薬を用いる実験を来年度としたため、残額が生じた。また予定していた学会参加、研究会参加は参加保留としたため、旅費残額が生じた。その他の費用として、英文校正などを来年度に行うこととしたため、残高が生じた。

次年度使用額の使用計画

物品費は、必要となる実験試薬の購入に使用する予定である。旅費に関しては、本年の学会参加、研究会参加に使用する予定である。その他の費用に関しては、英文校正、マウス維持費などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] A PRELIMINARY STUDY OF THE EFFECT OF KAMPO MEDICINE ON THE HUMAN LYMPHGNGIOMA DERIVED LYMPHATIC ENDOTHELIAL CELLS2015

    • 著者名/発表者名
      Mototoshi Kato
    • 学会等名
      The 16th European Congress of Paediatric Surgery
    • 発表場所
      Cankarjev Dom Caltural & Congress Centre(Ljubljana, Slovenia)
    • 年月日
      2015-06-17 – 2015-06-20
  • [学会発表] リンパ管腫由来リンパ管腫内皮細胞に対する漢方薬の影響の検討2015

    • 著者名/発表者名
      加藤源俊
    • 学会等名
      第52回日本小児外科学会学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-05-28 – 2015-05-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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